■ 地域病院との病診連携でもっと大きな安心を
厚生労働省は地域中核病院と診療所の役割分担と連携を進めてきました。医師会による「かかりつけ医を持とう」という運動もその一環です。けれども心身に何らかの障害を持っている方の場合、病院に気軽にかかれないことが多いと思います。朋診療所は障害を持つ方のための「地域に開かれた診療所」です。「訪問の家」の各施設に通所する方だけでなく、地域で暮らす障害をもつ方に気軽に受診していただくための診療所ですが、小児神経専門医が診察する特色ある診療所でもあります。
診療所ですから入院設備はありません。入院先の病院を探すのはいつも大変でした。同じ栄区にある栄共済病院が他病院に先駆けて病診連携システムを始めたとき、当時の院長先生に「障害を持つ方でも病診連携に入れるだろうか?」とたずねました。院長先生は「病診連携とは、栄区医師会を通して地域で開業されている先生と病院の連携であり、障害の有無は全く関係ない、どうぞご利用ください……といっても、各科の先生方に理解してもらうには時間がかかるでしょう。ですから最初は院長あてに紹介状を書いてください。」と答えてくださいました。
以来、何人の方が肺炎などの治療入院、内視鏡検査、胃瘻造設、気管支鏡検査などでお世話になったことでしょう。外来では、ほとんどすべての科でお世話になっています。栄共済病院との病診連携は10年になります。あらかじめ登録しておくと、急変で紹介状を書けなくても、登録カードを持っていけば夜間や休日でも受診できます。このシステムに入れたことは大変大きな安心となりました。
一方、横浜市立みなと赤十字病院が平成17年度開院しました。前身の港湾病院時代から、小児科で大変重い障害の方々の入院を引き受けてくださっていました。新たに開院するに当たって、横浜市が重症心身障害児・者の入院加療を施策として挙げ、小児神経班の先生方が対応してくださっています。
この2つの病院のように、病診連携という「システム」を作れたことは大変な前進であると考えていますが、入院を受ける先生方や病院スタッフのご努力は大変なものと想像します。障害児・者の病診システムをこれからも大切に継続させてゆくためには、障害を持っている方とその家族だけでなく私たちスタッフも常に感謝の気持ちを忘れずに、ともに苦労を分かち合う心を持たなければいけないと思っています。
ちなみに栄共済病院での胃瘻造設は、平成14年が1例、平成16年が3例、平成17年が1例でした。