家庭から「集」に通っていた時には、帰宅までの間、バスに乗り、電車に乗り、時には家族と夕飯の買い物をしながら帰ることで時間が過ぎていきました。しかし、グループホームは「集」から徒歩五分、今までの「家について一休みしている間に夕飯ができ、お風呂に入って眠る」というパターンとは違い、時間に余裕ができたことが、メンバーさんにとっては、今まであまり経験したことのない「隙間の時間」になってしまいました。リビングで手持ち無沙汰にしている人、テレビをつけたままボーッとしている人、夕飯までがゆっくり、そして長く感じる時間でした。
しかし、その時間に夕飯の買い物に行って食べたいものを買ってこようとか、何を買ってくるかなどといった話が湧き起こってきます。「自分ができることは自分でやってみよう」声をかけるとできることが見つかってきました。風呂の掃除、洗濯物をたたむ、「集」で着た服を洗濯物に出す。「隙間の時間」が少しづつ狭まってきたことで表情は明るくなり、メンバーさん同士、スタッフ、ヘルパーさんに対する要求も増えていきました。
一方、自分の時間を自分なりに使う人もいました。自分の部屋に入って好きなラジオを聴き、好きな音楽をボリュームを上げて聴く人、近くのレンタルビデオ屋に行く人……。少しづつ少しづつ自分のペースで「隙間の時間」が「自分の時間」になってきました。
そして、食事の時間、風呂の時間、眠る時間は「みんな一緒に」ではなく、自分で希望を伝えます。四人が住むグループホームの中で自分らしい生活をしています。